なんでも梅学

梅と諺(ことわざ・言い伝え)

「梅」まつわる諺(ことわざ)や言い伝えは、たくさんあります。
昔から、日本人の生活の身近に「梅」は息づいていたのですね!
さて あなたは、いくつ知っていますか?


塩梅(あんばい)

塩梅(あんばい)

昔は、酸味と塩味で料理の味を引き立てる
「梅酢(※1)」が調味料として使われていました。
そのことから「塩梅(あんばい)」という言葉は、
料理用語として使われていたのですが、
後には政治用語として使われたこともあります。

現在では、とても具合のよいことを「いい塩梅」
といい、幅広く使われるようになりました

※1「梅酢(うめず)」=梅の実を塩漬けした時に出る汁


花も実もある

花も実もある

外観も美しく、内容も充実していること。

春に先がけて花が咲き香り、
実っては健康食品として役立つことから、
この花は「梅」を指すのではないかと思われます。

筋も通り、情味も備わっていて、手落ちのない人物を
「花も実もある」とたとえる事もあります。


梅はその日の難のがれ

梅はその日の難のがれ

朝、出掛ける前に梅干を食べると、
その日は災難をまぬがれる
という説があります。

昔、旅人が、その土地特有の熱病や風土病にかからない
ように、梅干を「薬」として携帯していたからです。

梅に殺菌効果があることは、学問的にも認められ、
多くの人が体験しています。 今でも旅館などで、
朝食に梅干が出されるのは、この説が生きているためです。


梅根性に柿根性

梅根性に柿根性

梅は、梅干にしても梅肉エキスにしても、
煮ても焼いてもまだスッパイことから、
頑固でなかなか変わらない性質、
いい意味では頑張り屋さんのこと

「梅根性(うめこんじょう)」といいます。

また「柿根性」は、渋柿は焼けばすぐに渋(しぶ)がとれ、
干し柿にすると一晩で甘くなることから、 いっけん頑固そう
に見えても、変わりやすい性質のことをいいます。


松竹梅

松竹梅

松・竹・梅は、三つの等級を表す場合によく使われます。
中国では、松と竹は冬の寒気に耐えて緑を保ち、
梅は寒さの中、百花に先がけて花を咲かせることから、
松・竹・梅を「歳寒三友(さいかんさんゆう)」といい、
それが日本に伝えられたのです。

三友とは友としてふさわしい「正直な人・忠実な人・多聞な人」を云います。 「松」は厳冬にも落葉せず、断崖絶壁にも良く根を張ることから、忍耐強く、真心を尽くす人。
「竹」は節を持った人。また隠し立ての無い正直な人。
「梅」は厳冬に咲く事から、激しい状況でも笑顔を絶やさない人。

また梅の実は、やがて落ちて芽を出す事から、 生命のしるしとされています。
奈良時代から祝儀や縁起物の一つとして、また画題や祝い事の飾りなどにも用いられてきました。

梅は他にも、 高潔な美しさを君子にたとえた「四君子(しくんし)」(梅・菊・蘭・竹)
清楚な美しさの画材とされる「三清(さんせい)」(梅・竹・水仙)などの呼称を持ちます。


梅は食うとも核(さね)食うな 中に天神寝てござる

梅は食うとも核食うな中に天神寝てござる

梅の種子の核を称して「天神さま」と言います。
天神さまとして祀(まつ)られている菅原道真(すがわらのみちざね)が梅を愛したことから、俗信が生まれました。

青梅や生梅の核には アミグダリンとプルナシンという成分があり、
砕けると酵素分解によって青酸ガスを生じます。
食べると腹痛や中毒を起こす恐れがあります。
「種子の中には天神さまがおられるので、食べると罰が当たりますよ」と戒(いまし)めた言葉なのです。

(アミグダリンとプルナシンは、梅が完熟すると解消します。)


梅木学問

梅木学問

梅の木は、成長は早いが、大木にはならないことから、
にわか仕込みで不確実な学問のことを言います。

また、楠の成長は遅いが、大木になることから、
少しずつ着実に積み重ねた学問のことを
楠学問(くすのきがくもん)と言います。


左近の梅

左近の梅

京都御所に「左近の桜」「右近の橘」が植えられていますが、
この桜は、もともと梅であったといいます。
村上天皇の時に、火災で梅の木が倒れ、
紀貫之(きのつらゆき)の娘の梅を献上させたところ、娘が
「勅なれば いともかしこし 鶯の 宿はと問わば いかが答えん」

《歌訳》「天皇のご命令ですので、この梅の木を差し上げます。
しかし、この木に来る鶯(うぐいす)に、自分の宿はどうなった
のかと問われれば、どう答えたものでございましょう。」

と梅との別れを歌にしました。この歌に心をうたれた天皇は、梅を娘に返し、桜に植え替えたということです。


その他にも・・・・

  • 梅一輪 一輪ほどの暖かさ 服部嵐雪の俳句。梅の花が一輪また一輪と咲くにつれて、
    気候も少しずつ暖かさを増すという意味。
  • 梅は百花の魁(さきがけ) 年のはじめ、梅があらゆる花の先頭を切って咲き、春を告げることをいう。
  • 梅は蕾より香あり 才能のある人や大成する人は、幼い頃からそれが現れること。
    蕾の時からよい香りを漂わせる梅にたとえた。
    「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」に同じ。
  • 桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿 梅は枝を切ると、切り口から小枝が密生し、
    枝振りがよくなり、よく伸びて花をつけ、実を結ぶが、
    桜は枝を切ると、木の勢いがなくなり枯れやすいという戒め。
  • 梅干しと友達は古い程良い 梅干しは長く漬けたもののほうが味がよく、
    友人は昔から付合っている人ほど気心が知れ、信頼できることをいう。
  • 梅に鴬 仲の良いもの。調和して絵になるもの。 同じ意味で「梅に鴬、柳に燕」がある。
  • 鴬の梅を見つけたよう 大変都合良く望み通りになること。
  • 梅と桜 美しいものや良いものが並んでいるたとえ。
  • 梅は香りに桜は花 優れているものを表す。
  • 梅と桜を両手に持つ 良い物を両手に持つ、ということで、良いことの上に、さらに良いことがあること。
    「両手に花」と同じ意味。香りのよい梅と、見た目の美しい桜をセットにしたもの。
    平安時代の末に編纂された『後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)』の
    「梅が香を 桜の花に にほわせて 柳が枝に さかせてしがな」に由来。
    (梅や桜、柳、それぞれの良いところを集めた植物があるといいなあ)
  • 梅を望んで渇きを止む 梅の実は想像するだけで唾が出てのどの渇きを止める。
  • 梅田椎麦(うめだしいむぎ) ウメの実の多い年はイネが豊作で、シイの実の多い年はムギが豊作。
  • 梅田枇杷麦(うめだびわむぎ) ウメの実の多い年はイネが豊作で、ビワの実の多い年はムギが豊作。

このページは南部川村の許可のもと「南部川村うめ振興館常設展示図録」をもとに作成しました

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