奈良県の月ケ瀬梅林は、 「烏梅」を作るために植えられた梅林だ。 しかもそれは薬用ではなく、 主に紅花染め用に使われていた。
特権階級の人々が愛用した「紅花染め」。 そして、日本女性を彩った口紅・頬紅に、 烏梅は、欠くことのできない存在だった。
●江戸時代の民間薬 日本では、正徳2(1712)年に発行された 図説百科事典の『和漢三才図会』に、 烏梅が「脾・肺二経の血分の薬である」と記載。 インフルエンザを含む悪性流行疫病を治し、 咳・熱を止め、白梅はおできや乳腺炎に 薬効があると書かれている。