瓜溪石は、今から約6000万年前の新生代初め、
海底に堆積していた泥岩層である「瓜溪層」とよばれる地域から産する石だ。
地中から掘り出されたときは、石の表面に黒色の泥岩が付着していたり、
風化のために赤褐色になった土で覆われているが、
愛好家の手にかかるとたちまち見事な盆石(ぼんせき)になる。
深山幽谷を想う山水景と、変化にとむ皺(しわ)に加えて、
なめらかな石の肌が特筆される。
紀伊続風土記には「瀑布石」、
また紀伊名所図会には「盆石」として
紹介されるほど、古来より
産出したものと思われるが、
発掘の歴史はわりあい新しく、
盆石として価値を認められたのは、
天保年間(1830年代)で、
樵夫(きこり)の手によって発見された。
江戸時代には、田辺藩が石番を置き、
みだりに採掘することを禁じたこともあり、
この禁が解かれたのは、
西南戦争(明治10年)の頃だと言われている。
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