弥生時代の遺跡から梅の遺物が出土
日本各地の弥生時代の遺跡から、梅の自然木の断片・梅実の核(種)が発掘された。

- 弥生時代前期山口県平生町 岩田遺跡(モモと共に)
- 弥生時代前期大阪府八尾市 亀井遺跡(梅の自然木の断片)
- 弥生時代前期山口県綾木郷 台地遺跡
- 弥生時代中期山口県熊毛町 岡山遺跡
- 弥生時代中期京都府綾部市 青野遺跡
- 弥生時代後期奈良県榛原市 高塚遺跡(モモ・クリと共に)
- 弥生時代後期東京都板橋区 前川泥炭層(梅の破片2個)
- 古墳時代前期山口県平生町 吹越遺跡
- 古墳時代前期奈良県桜井市 大西遺跡
- 古墳時代前期愛知県豊田市 伊布遺跡
- 古墳時代前期石川県加賀市 猫橋遺跡
弥生時代前期~古墳時代の梅の遺物出土遺跡を県別に見ると、 山口県・大阪府・奈良県・京都府・石川県・東京都である。
梅が中国大陸から渡来し、日本での栽培が普及していく様子は、 稲作が広まってゆく様相とほぼ同じとみられている。
原産地(中国長江流域)が夏湿気候帯に属していることから、 梅は、日本の風土によく適応し、栽培が普及していった。
それ以前の縄文時代の遺跡から、梅の遺物は発掘されていないことから、 梅は、弥生時代に渡来したと考えられる。
参考文献:「梅一・ものと人間の文化史」有岡利幸