梅の病気と害虫
カイヨウ病
「この黒い点は、なに?」はい、これがカイヨウ病です。
カイヨウ病にかかった梅の実には、画像のように、胃潰瘍のような病班が出ます。
一般的には、ボルドー剤の他に、抗生物質を使ってこの病気を防ぎますが、
月向農園では、抗生物質を一切使用しません。
そのため、カイヨウ病の発生は、ある程度、覚悟しなくてはなりません。

ウドンコ病
ウドンコ病にかかった梅の実は、表面に白い粉が噴き、
放っておくと、その部分が、しこりの様に固くなります。
春先から雨が少ない年は、ウドンコ病が多発します。
月向農園の梅畑のように、標高が高く乾燥気味の園地に発生しやすい病気です。

スス病
スス病にかかった梅の実には、ススのような黒い模様がつきます。
スス病はカビの一種で、雨天が続くと発生します。
梅雨の時期に、身の回りがカビっぽくなるのと一緒です。
この病気を防ぐため、一般的には収穫直前や収穫中に農薬を散布するのですが
「食べる人」のことを考えると、僕にはこの時期の散布はできません。
スス病は、梅の品質には まったく影響ないのですが、外見は お世辞にも綺麗とは言えません。
そして梅干に漬けても、残念ながら、この黒っぽいシミが消えることはありません。

アブラムシ
アブラムシが付いた葉先は、チリチリになってきます。
放っておくと葉が十分開かず、樹勢まで弱くなります。
枝の先端部に生長点があり、栄養分がたっぷり支給されています。
問題は、この栄養分を狙って、アブラムシが集まってくることです。
私は「来るな!」と いつも脅かしているんですが、きっと美味しいんでしょうね。

コスカシバ
「願いがかないますように」おみくじを枝に結んで・・・じゃなかった、
これは梅の幹や枝に侵入して木を枯らす害虫コスカシバの繁殖を抑えるフェロモン剤なのです。
オスがこのフェロモン剤に惑わされて、メスの居場所がわからなくなるというものです。
もちろん、これは有機農産物に使用可能な剤ですよ。
以前は食害のある部位に、殺虫剤を塗っていたのですが、
害虫より先に栽培家のほうが、殺虫剤の匂いでクラクラしてました。
一本の樹に一個。「コスカシバが増えませんように」と、願いをかけます。
