梅酒
梅仕事の中でも、材料さえ揃えば、
誰でも手軽に漬けられる「梅酒」。
梅の有効成分がじっくりと溶け出して、
自分だけの「味」が作れますよ。
φ(..)メモメモ
準備
梅仕事を始めるその前に・・・
忘れちゃいけない!梅の下ごしらえ。
用具は揃いましたか?
準備万端、整えて・・・
さあ、始めましょう!
梅干し
一粒一粒「健康のために・・・」と、
家族への愛情がこもった梅干しは絶品です。
作る人によって、微妙に味が違う
といわれる「梅干し」。
貴方も漬けてみませんか?
梅シロップ
梅と砂糖から生まれた果汁を、
煮詰めれば梅シロップの出来上がり。
甘くてさっぱりした、
梅の「元気の素」を召し上がれ!
梅ジャム
さわやかな梅の酸味が
たまらない梅ジャム。
キッチンが梅のあまい香りで満たされ、
幸せな気分です。
梅肉エキス
梅の果肉をすりおろし絞った汁を、
じっくり煮詰めて作る「昔からの家庭薬」
疲労回復・食あたりなど、
万能薬として重宝します。
【 材料・用意するもの 】
青梅 1kg
氷砂糖 700g前後が目安
焼酎 1.8リットル
殺菌した保存容器
1.
青梅は、丁寧に水で洗い、
たっぷりの水に2~4時間つけて
アク抜きをする。
2.
水気を充分にきり、
なり口のホシを竹串などで
丁寧にとり除く。
3.
殺菌した保存ビンに、
青梅と氷砂糖を、交互に入れる。
4.
(上からのぞくと、こんな感じ。)
5.
ビンに焼酎を、静かに注ぎ入れる。
このまま、冷暗所で保存する。
時々ビンを揺り動かして、
糖分が均等に混ざるようにする。
3ヶ月で、あっさりとした味わい。1年置くとコクが出てくる。
年月を経て円熟味を増す味わいを楽しむのが、梅酒の醍醐味!
よくいただくご質問 FAQ
梅酒には、どのくらいの熟度の梅が良いのですか?
梅の収穫期間は、約1ヶ月あります。
「若くフレッシュな青い梅」から
「熟して黄味がかった梅」まで、
それぞれに良さがありますので、
いろいろチャレンジしてみると楽しいですよ。
ですが、収穫適期を外れた「未熟な梅」や
「熟しすぎた梅」は、お薦めできません。
梅のエキスが抽出されにくかったり、
トラブルの原因になりやすいからです。
若くフレッシュな硬く青い梅
初々しく、さわやかな味わい。
酸味が豊富で、パンチがある。
コクがあり、香り豊かな
梅酒に仕上がります。
おすすめは「フレッシュ南高梅」
紅色に染まった「紅南高梅」
梅酒用の最高峰。
たっぷりお日様の陽を浴び、
紅色に染まった梅。
「ほんのりピンクの梅酒」は絶品!
おすすめは「樹熟紅南高梅」
超完熟南高梅(完全に熟した梅)でも、梅酒は作れますか?
はい。作ることはできます。
超完熟南高梅は、さらに酸味が少ないため、
仕上がりも酸味が少なく、
甘みがあって口当たりがよいです。
なお、超完熟梅はデリケートなので、
漬け込み~保管中の管理にも
注意が必要です。
超完熟梅で漬けた梅酒
梅酒には、どんな焼酎を使えば良いですか?
長期保存&熟成用には「ホワイトリカー」がお薦めです。
ホワイトリカー(35度)は、果実酒用の焼酎で、何度も蒸留して作るため、無味無臭に近いのが特徴です。
それ自体にコクや風味はありませんが、そのぶん果実の風味が生かされ、美味しく仕上がります。
半年~1年で楽しむ場合には、25度の麦焼酎でも良いです。アルコール臭さがないので、梅の味と香りを楽しめます。
しかし、こちらは熟成(長期保存)には不向きです。
ホワイトリカー以外のお酒で作れますか?
はい、作れます。長期保存には、アルコール35度以上の
焼酎・ブランディ・ウイスキー・ウォッカ・ジンなどが望ましいのですが、
泡盛・黒糖焼酎・ワイン・老酒・麦焼酎・日本酒など
いろいろ工夫して、自分だけのオリジナルに挑戦しましょう。
ただし、アルコール度数が低くなると、
梅のエキスが抽出されにくくなり、
長期保存や保管方法も難しくなります。
場合によっては、冷蔵保存が必要に
なる場合がありますので、ご注意を。
(ブランデーで漬けた梅酒)
どんな砂糖を使えば良いですか?
梅酒には、純度が高くクセのない
「氷砂糖」がお薦めです。
すっきりとした上品な甘みの
梅酒に仕上がります。
焼酎にゆっくり溶ける氷砂糖は、
じっくりと梅のエキスを引き出し、
まろやかな味に仕上がります。
氷砂糖と梅の相性はバッチリ!
砂糖はどれくらい入れれば良いですか?
好みが分かれるところが、砂糖の量です。
市販の梅酒は甘いのが多いので、スッキリとした梅酒を作りたい・・・
そんな方のために、甘さの目安を表にしてみました。
< 梅・焼酎 > | < 砂糖の量 > | < 甘さの目安 > |
梅1kg 焼酎1800ml に対して |
1kg以上 | 超甘口 |
800g~1kg | 甘口 | |
600g~800g | 標準的な甘さ | |
400g~600g | 酸っぱめ | |
200g~400g | 超酸っぱめ |
焼酎1升(1.8リットル)に対して、砂糖700g前後が目安です。
お酒が苦手な方や、甘めの梅酒に仕上げたい場合は、
これより多めに入れてください。
砂糖を入れることにより浸透圧がおこり、梅のエキス抽出を助けます。
無糖でも作れますが、エキスが抽出されにくくなりますので
少量でも入れることをお薦めします。
しかし、くれぐれも入れすぎないように注意しましょう。
一度入れてしまった砂糖は、どうすることもできません。
加減がわからない時は、あらかじめ甘さ控えめに作り、
足りない甘味は飲む時に、ガムシロップなどを加えて補うと良いでしょう。
梅酒の実がシワシワになってしまいました。大丈夫なんでしょうか?
はい、大丈夫です。梅酒の品質にはまったく問題ありませんのでご安心を。
シワシワは「糖の浸透圧」によって出来ます。梅を砂糖に浸すと、
外部の糖度濃度に比べ、梅内部の糖度濃度が低くなるため、
梅は内部の水分を出して外部の砂糖を溶かし、
糖度濃度を一定にしようとします。これが「浸透圧」です。
ですから、梅に対して砂糖の量が多いと、シワシワ度が増します。
ちなみに、我が家の梅酒たちの様子は・・・
砂糖がゼロの実は、何年経ってもシワができません。
焼酎1.8L・梅1.5K・氷砂糖500gだと、少しシワができます。
これ以上に糖分の量をふやすと、シワシワになります。
またシワシワ度は、梅の熟度によっても違ってきます。
表面は青く硬そうでも、中身が熟している梅はシワになりにくいのです。
左・無糖で漬けた梅 右・砂糖500gで漬けた梅
梅酒を作ったのですが、梅が沈まずに浮いています。大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
梅酒を漬けて初めの頃は、梅は沈まず浮いています。
時間が経ち、漬かっていくにつれて
梅のエキスが抽出され、梅は徐々に沈んでゆきます。
ただ、溶けた糖分が下に沈殿すると、
このような現象が長引くことがあります。
時々、ビンを揺すって溶けた糖分を均等にするようにしましょう。
こうすることにより、浸透圧でエキスの抽出がすすみ易くなります。
(30日後) (50日後) (1年後)
梅酒が色付いてくるのは、いつ頃ですか?
漬けた当初は、無色透明の梅酒ですが、
氷砂糖が溶け、熟成していくにつれ、
徐々に琥珀(こはく)色に変わっていきます。
熟成の進み具合は、梅の品質・焼酎の種類・砂糖の量・保管方法により
違ってきますので、一概には言えませんが、
年月を経る程にコクが出て、色も深く(濃く)なっていきます。
(左1ヶ月後)(中央1年後)(右3年後)
その他いろいろな質問
「梅酒」Q&A
梅の実について
梅酒を楽しむなら、できるだけ「大きな実」がお薦めです。
果肉と果汁もたっぷりありますので、梅のエキスがしっかり抽出されます。
あと、漬けた実を食べたいという方には、食感の良い小さな実もお薦めです。
しかし、店頭に出回りはじめてすぐの小さな実は、
特に未熟果の確率が高いので、注意して選んでくださいね。
和歌山県みなべ地方で栽培されている品種なら、
「南高梅(なんこううめ)」「古城(ごじろ)」が適しています。
日本各地には、それぞれの土地や気候に適した梅が数多くあります。
品種にこだわらず、地元でとれる手に入りやすい新鮮な梅を
上手に使ってみましょう。購入の際には、八百屋さんに訊いてみると良いでしょう。
「適期に収穫された実」は収穫後もシワがよることなく、黄変していきます。
一方、「未熟果(未熟な実)」は収穫後、時間が経過するとともに、
梅の表皮が乾燥して、シワッとした感じになるのが特徴です。
店頭で、すでにシワが出てきているのは未熟果の証。注意しましょう。
購入してから、数日でシワがよってくる実も、残念ですが未熟果でしょう。
作ることはできますが、あまりおすすめできません。
実のキズは、味はもとより、梅酒の仕上がりに、少なからず影響します。
透き通った綺麗な琥珀(こはく)色に仕上げるには、
キズの無い梅で漬けるのが望ましいです。
はい。作ることはできますが、小梅は果肉が少ないので、
梅のエキスが出にくく、あまりお薦めできません。
はい。作ることはできます。
・・・が、美味しく仕上がるかどうかは、わかりません。
花梅は、あくまで「花を楽しむための品種」であり、
実梅(南高梅など)「実を利用(食用)するための品種」ではないからです。
その点を理解してチャレンジすると、
もしかして、ものすご~く貴重な梅酒が誕生するかもしれません。
焼酎について
焼酎1升(1.8リットル)に対して
アルコール度数35度以上のお酒なら、青梅1~1.2kgが目安です。
コクのある梅酒に仕上げたい時は、青梅を1.2kg入れましょう。
ただし、25度以下のアルコール度数の低いお酒には、
青梅を1kg以上入れないようにしましょう。
アルコール度数が低くなりすぎて、品質が不安定になり
液が濁る原因となります。
はい、ブレンドして漬け込むことは可能です。
しかし、仕上がったとき味見して「これは失敗した」と
後悔しても、どうしようもありません。
別々の容器に、それぞれ漬け込み、出来上がったものを
飲む時にブレンドして楽しむと、失敗がありませんよ。
砂糖について
はい、もちろん使えます。
グラニュー糖・赤ザラメ・黒砂糖でも結構です。
グラニュー糖は、氷砂糖に比べて甘みが強く、前面に出た感じがします。
赤ザラメ・黒砂糖のように、精製されていない砂糖には、アクがあり、
そのため渋味が若干ありますが、風味は良いです。
はい、作ることはできます。
ただし、砂糖入りの梅酒に比べて、梅のエキスが抽出されにくいです。
その点を理解して作りましょう。
はい、使えます。ただし、ハチミツは液に溶けにくいので、
漬け込み後、2週間くらいは毎日1回瓶を揺すってよく混ぜてください。
容器・保管について
口が広く、蓋(ふた)がきっちり閉まるもの。
中の様子がひと目でわかるものが最適です。
梅1kgの梅酒を作る時には、容量4リットルの容器が必要です。
梅酒は常温で保管できます。
「人間が普通に生活できる温度」なら、とりあえず大丈夫です。
ただし、「直射日光」だけは厳禁です。
また、アルコール度数の低いお酒で漬けた場合は、
冷暗所での保管をお薦めします。
家の中で、できるだけ涼しい場所に保管しましょう。
熟成中について
「梅の風味を軽く味わいたい場合は、3ヶ月で取り出す。」
「約1年で梅のエキスが液に浸透するので、1年で取り出す。」
「取り出さないで永くおくほうが、梅酒のコク・香り・風味ともに増すので、ずっと入れておく。」
と、いろんな説があるということは、きっと、正解はないのでしょう。
ちなみに我が家では、実を取り除かず、ずーっと入れておきます。
その分スペースがいりますが、何も問題ありません。
「南高梅には毛があり、濁りの原因となるため、
1か月程度で取り除く方が好ましい」という説もあります。
ちなみに、100%南高梅使用の我が家では、
ずっと入れたままですが、今までのところ一切トラブル無しです。
原因としては、以下の要因が考えられます。
・ビンの消毒が充分でなかった。
・梅に水気が残っていた。
・焼酎に対し、梅の分量が多すぎた。
・アルコール度数の低い酒を使用した。
対処法は、次のとおりです。
1. 梅をすべて取り出します。
2. 液を清潔なガーゼなどでこします。
3. 梅はジャムなどに利用しましょう。
味見について
漬け込み後、梅のエキスが出る3か月後から、飲むことができます。
新しいうちのスッキリした味わいも良いですが、
年月を経て、円熟みを増したまろやかな味わいも格別です。
1~2年くらい熟成させたほうが、美味しく召し上がれます。
アルコールで漬けていますので、賞味期限はありません。
待てば待つほど熟成され円熟みを増す。それが梅酒の醍醐味です。
年月を経る程に、コクが出ておいしくなります。
梅酒はアルコールなので、基本的に腐敗することはありません。
念のため蓋を開けて、香りと味を確かめてください。
特に異常がなければ、まず大丈夫。年代物の貴重な梅酒を味わってください。
異臭がしたり、酢のような味がしたら、残念ですが廃棄してください。
梅酒は、そのまま氷を浮かべてロックにしたり、
炭酸水で割ったり、お湯割にしたり、紅茶に少量入れたり、
いろいろな飲み方が楽しめます。
ケーキやデザートの風味付けにも重宝します。
・そのまま食べる。
・冷凍して凍らせて、冷たいデザートに。
・梅ジャムにする。(果肉を細かく刻み、砂糖を加えて煮る)
・大人向きのケーキやデザートの材料に利用する。
「梅酒」 梅酒の民間療法
梅酒は家庭の「薬用酒」…「疲労回復・血行促進・胃腸強化」
梅の有効成分が、たっぷり染み出している梅酒は、
いつも家庭に備えておきたい健康酒、常備薬です。
疲労回復・整腸作用をはじめ、様々な薬効があります。
梅酒を毎日少しずつ飲んでいると、
疲労が溜まらず、夏バテしません。
血行も促進されますので、胃腸の働きも活発になり、
頑固な便秘も、自然と解消されます。
冷え性や不眠症に…「寝る前に梅酒を飲む」
手足の指先が冷える辛い冷え性や、
ストレスでなかなか寝つけない不眠症には、
梅酒が抜群の効果があるといわれます。
眠る前に、梅酒を飲んで床に入ると、
梅とアルコールの相乗効果で、
血行が促進されますので、身体も温まり、
神経もやわらいで、朝までぐっすり眠れます。
お酒があまり得意でない人は、お湯で割って飲むと良いでしょう。
腹痛、下痢に…「梅酒を飲む」
昔から梅酒は、腹痛や下痢の特効薬として重宝されました。
アルコールと梅の成分が作用して、
血行が促進され、胃腸の働きを整えますので、
腹痛も和らぐといわれています。
重宝!「外用薬」として幅広く使える「梅酒ローション」
外用薬には、梅ローション(砂糖抜き梅酒)を使いましょう。
砂糖が入った梅酒では、肌に塗った時ベタついてしまいます。
外用薬には、砂糖抜きの梅酒を作り、それを使用しましょう。
咳(せき)や喉(のど)の痛みに…「梅酒ローションで湿布する」
梅酒には、咳(せき)を鎮めたり、
喉(のど)の痛みをやわらげる効果があります。
ガーゼなどに梅酒ローションを浸し、喉にあてて湿布します。
乾いたらとりかえる、を繰り返すうちに楽になるでしょう。
火傷(やけど)、打撲傷に…「梅酒ローションで湿布する」
梅酒には、消炎作用や鎮痛作用があります。
梅酒の湿布は、火傷や打撲傷などの応急手当てとしても
効果があります。
ガーゼなどに梅酒ローションを浸し、患部にあてて湿布します。
乾いたら取り替えましょう。
肌荒れに…「梅酒ローションを塗る」
肌がガサガサになった時には、梅酒ローションを塗ります。
お風呂上りに塗ると、よりいっそう効果を発揮し、
すべすべした肌になります。