ダイジェスト版
梅の一年
梅は百花に先駆けて咲き、
真っ先に「春」を知らせてくれます。
ここでは、移りゆく「梅の四季」と
梅郷での暮らしを紹介します
梅の一年
梅のお花見
1月下旬、日本一の梅の里
和歌山県みなべ町に
ひと足はやい春が訪れます。
山々が、梅の花で薄化粧した様に、
ほんのり白く染まります。
あなたも一緒に、
お花見に出掛けませんか?
1月下旬~2月
梅の開花
日本一の梅の里・和歌山県みなべ町に、
ひと足はやい春が訪れます。
山々が梅の花で薄化粧した様に、
ほんのり白く染まります。
観梅に訪れる人々にとっては、
穏やかでやさしい風景ですが、
梅農家にとっては、その年の
収穫量が決定する大切な時期です。
この時期の主役は、花から花へと飛び回り、
受粉をしてくれるミツバチ達です。
ミツバチが飛んでくれる条件は難しく、
天候・気温・風などに大きく左右されます。
開花時期の自然環境が、その年の
受粉の割合を決定するのです。
3月~5月
梅実の生長
花の散った梅の枝々には、
たくさんのちいさな生命が宿ります。
徐々に暖かくなる日差しを浴びながら、
梅の実も日一日、成長していきます。
この頃、収穫に備えて準備が始まります。
作業をスムーズにするための梅畑の下草刈りや、
果肉の多い大きな実が育つように、
肥料が撒かれます。
「雨の恵み」を全身で受け止めて、
梅の実は、ひと雨ごとに大きくなります。
「梅雨」とは、よく言ったものですね!
たくさん実がついた枝は、
その重さで垂れ下がるようになります。
6月上旬(梅酒用)
青梅の収穫
梅の実に南高梅独特の「紅」が
さすようになった頃、
いよいよ待ちに待った 収穫の時がやって来ます。
農園が一年でいちばん忙しく、
喜びあふれる季節です。
6月上旬、まず梅酒用の収穫です。
梅酒用には、まだ梅の実が、
若く青い時に収穫します。
傷をつけない様、一粒一粒だいじに
大事に手もぎしていきます。
こうして「梅酒用」に収穫される
梅の実は、ごくわずか。
ほとんどの梅の実たちは 「梅干用」として
完全に熟すまで 樹上で過ごします。
6月~7月(梅干し用)
収穫・塩漬け
6月中旬~7月上旬、
いよいよ梅干用の完熟梅の収穫です。
梅干用には樹上で完全に熟し、
自然落下した実をひろい集めます。
梅の実が傷つかないよう、汚れないように
木の下には、青いネットを敷き詰めます。
収穫された梅の実は、水洗い・ 選別され、
その日のうちに天然塩で、塩漬けされます。
完熟梅は、クラクラする程「いい香り!」
万遍なく、丁寧に塩を行き渡らせ、
最後に上から重石をします。
これから梅雨明けまで、梅の実たちは
梅倉(梅を塩漬けして保管する倉)で
眠りに就きます。
8月~10月
梅の天日干し
梅雨明けとともに始まるのが、土用干し。
梅酢の中で熟成された梅を引き上げ、
真夏の太陽の下で、いよいよ
天日干しのはじまりです。
漬槽から出した梅干しを水洗いした後、
一粒ずつ重ならないようせいろに並べ
3~5日程度天日に干します。
梅全体に、まんべんなく日光を当てるため
裏返しながら干し上げます。
町のいたる所で見られるこの土用干しは
みなべ町の夏の風物詩となっています。
町中が甘酸っぱい香りに包まれます。
こうして、干し上がった梅たちは、
一粒一粒 手作業で
丁寧にタルに詰められ、
ふたたび熟成の眠りにつきます。
11月~1月
土作り・剪定
梅干し作りが終わった後も、
梅農家では休む暇はありません。
来年の収穫に向けて、冬が訪れる前に
やっておく作業があります。
来年の収穫量を左右する
梅の樹木の剪定作業です。
隅々の枝に、日が当たる様に
全体のバランスを整えます。
土作り(梅の木が必要とする養分を十分に
供給できるように)も大切な作業。
来春の花と実を想い描きながら・・・
梅の木々も葉を落とし、冬支度です。
しかし、ホッとする暇もなく、
2月の開花に向けてもう、
次の子育てが始まっています。
がんばれ!梅のお母さん
【 梅の一年 Menu 】